宮崎カリタス修道女会
 

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カトリック教会の社会教説をやさしく学ぼう

 
ヨハネ・マルシリオ神父(S.D.B.)

今年一年、ヨハネ・マルシリオ神父様(サレジオ会司祭)が「カトリック教会の社会教説」をやさしくひも解いてくださいます。神父様は50年前に来日され、現在は下井草教会で司牧活動をされながら、日本の教会のために多方面にわたって活躍されています。
一見難しく、なかなか馴染みにくい社会教説。神父様に解説して頂くことによって教会の教えに対する関心が高まり、学びを深める手掛かりとなるのではないかと思います。どうぞ、ご期待ください。

 
 

[1] 教会の社会教説の起こり


 1962年に、第2バチカン公会議が開始されたので、2012年はその50周年の年に当たります。この50年間に教会は自身に新たな姿を与えるため大変な努力をしたと言えます。典礼が新しくなり、教会法も教会のカテキズムも新たにされました。

 最近教会の社会教説も一つの新しい本にまとめられたことを御存じでしょうか。2004年4月2日には「正義と平和評議会の教皇庁」から「教会の社会教説の要綱」と言う本が発布されました。この大事な本を翻訳するために長い時間がかかりましたが、2009年7月1日に日本語訳の初版が発行されました。この本には教会は人間と被造物の存在の意味、人間の発達と国内・国際社会発展の正しい思想、聖書に基づく考えが提供されます。

 「教会は人間と人間同士の交わりの真理に関する教えを聖書、特に福音書から汲み取ります。教会はまた人間の世界に真理、正義、平和を実現するために何をなすべきなのかを教える使命を有しています。」(カトリック教会の新しいカテキズム 2419)。教会の社会教説の土台は聖書であり、イエスから受け継いだ人間の救いです。聖書の2、3箇所のみをならべてみます。

:創世記1〜3章…人間が神の似姿、自由と平等である、労働する、休みを取る
:レビ記25−26章…安息の日、安息の年、ヨベルの年、土地の所有権など
:マタイ6、9−13;ルカ11、2−4(主の祈り)…皆は神の子、食べる権利を持つ、危険に会うので助けられる必要がある、など。勿論イエスの模範と教え、使徒たちの模範と教え(福音書、使徒言行録、使徒たちの手紙)

 教会は、2000年の間ずっと人間の尊厳のことと健全な社会生活について教えてきましたが、特に19世紀の終わりごろから、自身の社会教説を提供してきました。「教会の社会的な教えが特に発展したのは19世紀です。そのとき福音は、近代工業社会、消費財生産を目指す新しい社会構造、社会、国家、権威についての新しい考え方、新しい労働や所有の形態と直面するようになりました。」(カトリック教会のカテキズム2421)。
 実は1892年のレールム・ノヴァルム(レオ13世教皇)から、2009年の「真理における愛」(ベネディクト16世教皇)までに、この間の教皇たちは(ピオ11世、ヨハネ23世、パウロ6世、ヨハネ・パウロ2世)社会教説について多くの文書を公表しました。その中に第2バチカン公会議の「現代世界憲章」も含まれます。 さて6年前に聖座から出された「教会の社会教説要綱」と言う本には、今まで社会教説について出された教皇文書の総まとめが見られます。ここに、この本の主な話題を紹介します:神と人間、人権、家庭、労働、経済、政治、国際共同体、環境保護、平和、愛の文明。 教会の社会教説の諸原理は次のものです:人間の尊厳、社会の共通善、万民のための財貨、補完性の原理、参加の原理。
 1年をかけて、この話題を考えていきたいと思います。