死者の月の墓参
- 2013/11/11 16:11
- 志願院の喜びの泉
宮崎のカリタスの園では、毎年、死者の月にできるだけ毎日、すぐ近くのカトリック墓地へ墓参に行っている。50人以上のシスターと志願生が、各自個人の時間を見計らって「墓参へ行ってきまーす」といそいそと出かけている。
この墓地には創立当初、命を削って救護院のお年寄りや赤ちゃん、子ども達に奉仕し尽した会員と志願生が埋葬されている。
志願生は朝の登校前に墓参しているので、その為の時間を普段の登校前のバタバタした時間の中で見出さなければならない。朝食を手早く済ませ、片づけ、寝室、学習室など、彼女たちの生活空間を整えて足早に墓地へ向かう。そして、創立者と本会会員、親戚恩人や、忘れられた霊魂の永遠の安息の為に祈るのである。折に触れて、創立当初の会員の犠牲と愛徳、また自分たちと同じ志願生の英雄的な奉仕を聴いている彼女たちは、この毎日の墓参を決して嫌がらない。感謝を捧げる時間として受け止めているようだ。
また、墓参のために、いかに周りに気を配って積極的に動き、全体の時間を浮かせるのかというのもカリタス会の志願生として良い鍛錬ともなっている。まだスッキリしない頭と心をフル回転させて、迅速に動く練習にもなっているのだ。11月を終えるころ、また11月を何度も越えてきた志願生がアスピランとして、上京して行く時、得るものは大きいだろうと思う。全体の為に自分のできることをスッとできるスマートさと、先人たちと面識のない忘れられた霊魂達のために祈る謙虚な気持ちを兼ね備えた素敵な女性に育ってほしい。