医務担当日記(ヘルパンギーナ編)
- 2023/07/31 09:11
あっという間に2023年も後半に入り、もう7月も終わりですね。
最高気温36℃以上となる猛暑日もすでに数日経験していて、
今年の夏も厳しい暑さが続きそうです…!
つぼみの寮では、暑さ指数(WBGT)を参考にしてお外遊びを調整したり
子どもたちも職員も 麦茶やイオン水でこまめに水分補給をして熱中症対策をしています。
〇都内でヘルパンギーナが大流行…!RSウイルスも感染者急増中
都内では夏風邪のひとつである「ヘルパンギーナ」が大流行しています。
また秋ごろに流行る傾向がある「RSウイルス」も6月から感染増加傾向です。
この2つは子どもを中心に流行する代表的な感染症で
子育て中のパパママさんは聞いたことがあると思います。
どのような感染症なのか、症状や予防方法についてまとめてみました。
東京都内の今年のヘルパンギーナ流行状況を示すグラフ(東京都健康安全研究センター提供)
ヘルパンギーナとは
子どもの3大夏風邪(手足口病・ヘルパンギーナ・咽頭結膜熱=プール熱)のひとつで、乳幼児を中心に流行します。
突然の38℃以上の発熱で発症、口内の奥のほうに水泡ができ、
その痛みで食事や水分が摂りづらくなり、高熱も相まって脱水症状を起こすことがあります。
つぼみの寮でも6月末~7月上旬に流行しました。
前日まで症状なしの突然の発症ばかりで、診察では喉の奥に赤い水泡がプチプチと。
ヘルパンギーナの原因は手足口病と同族のウイルスですが
手足口病ではそれほど高熱が出ないのと、水泡の位置が割と手前側であること、
手のひらや手足に発疹ができることが違いとして挙げられます。
喉が痛いと酸味のある食べ物が染みたり、固形物が飲み込みづらかったりと
看病するのもなかなか大変ですよね。
これらの予防ポイントとしては、
咳エチケットやこまめな手洗い・人混みなどの密を避けるなど
私たちが新型コロナ対策で行ってきた事が役立ちます。
小さなお子さんは上手に手洗いはできないけど、手はよく舐めますよね。
お子さんの手をきれいに保つようにしてあげましょう。
また、夏は汗冷えによる体温低下で免疫力が下がることがあるので
室内は26~28度設定・汗をかいたらこまめに拭くorお着替え・
通気性の良い袖ありの服で汗冷え防止に効果的です。
でも予防に努めていても、
保育園や幼稚園など多くの子どもたちが過ごす空間では感染してしまうことがあります。
ヘルパンギーナはワクチンや特効薬がないので
つらい症状を和らげる対症療法が中心です。
こまめな水分補給や刺激の少ない食事(喉越しの良いゼリーやうどん、おかゆなど)にすると良いですよ。
また解熱剤が処方された場合は、適切に使用することでつらい症状を和らげ、体力の消耗を防ぐことができます。食事などの栄養が取れれば回復にも繋がります。
38℃以上の高熱でぐったりしている時は、
医師に指導された内服方法を守って上手に活用してください。
次回はRSウイルスについてもご紹介します。
【参考】
東京都感染症情報センター https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/herpangina/herpangina/